今回は、WiMAX対応ルーターの「Speed Wi-Fi NEXT W06」の機能について解説していきます。
前機種であるW05との比較も掲載しているので、ルーター選びで迷っている人はざっと目を通してみてくださいね。
Speed Wi-Fi NEXT W06の基本情報
Speed Wi-Fi NEXT W06 | |
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製造元 | ファーウェイ・ジャパン |
対応回線 | WiMAX2+ / au 4G LTE |
重量 | 約125g |
寸法 | 約128×64×11.9mm |
バッテリー容量 | 3,000mAh |
通信時間 | 連続待受時間:約800時間 連続通信時間:約540分 |
同時接続台数 | 最大16台 |
Wi-Fi規格 | IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
周波数帯 | 5GHz帯 / 2.4GHz帯 |
対応SIM | NanoSIM |
充電方式 | 急速充電:USB Power Delivery2.0対応 ワイヤレス充電:非対応 |
本体カラー | ブラック×ブルー ホワイト×シルバー |
付属品 | 取扱説明書 保証書 TypeC変換コネクタ(試供品) ※ACアダプタ、USBケーブルは別売り |
通信速度は受信で最大1.2Gbps
Speed Wi-Fi NEXT W06は、USBケーブルを使って有線接続で通信機器(パソコンなど)をつなぐと、通信速度が受信で最大1.2Gbps、送信で最大75Mbpsになります。
※この高速通信を利用するには、ルーターの設定を「ハイスピードプラスエリアモード」に変更し、「ハイパフォーマンスモード」と「4×4MIMO」の設定をオンにする必要があります。
※2020年8月現在、この高速通信は東名阪の一部エリアのみの提供です。今後は順次拡大予定となっています。
- 4×4MIMO:WiMAXの基地局側と、ルーターの端末側にそれぞれ4つのアンテナを用意するというもの。通信量が増えて速度が上がるほか、電波が乱反射することで障害物の多い建物内でも快適にデータ通信ができます。
- キャリアアグリゲーション:周波数の異なる電波を束にして速度を上げるというもの。対応エリア内であれば安定したデータ通信が可能になります。
Speed Wi-Fi NEXT W06とW05の通信速度を比較
Speed Wi-Fi NEXT W06とW05を比較すると、ハイスピードモード(標準モード)における通信速度は同水準です。
ハイスピードプラスエリアモードにおける通信速度は、受信ではW06の方が速く、送信ではW05の方が速いという特徴があります。
▼Speed Wi-Fi NEXT W06の通信速度
ハイスピードモード(WiMAX 2+)
下り最大558Mbps
上り最大30Mbpsハイスピードプラスエリアモード(WiMAX 2+、LTE)
下り最大1.2Gbps※(Wi-Fi接続時最大867Mbps)
上り最大75Mbps※
※USBケーブル接続時の通信速度
▼W05の通信速度
ハイスピードモード(WiMAX 2+)
下り最大558Mbps※
上り最大30Mbpsハイスピードプラスエリアモード(WiMAX 2+、LTE)
下り最大758Mbps
上り最大112.5Mbps※
電波の受信感度が上がり、つながりやすくなった
Speed Wi-Fi NEXT W06は、前機種のW05にはなかった「高性能ハイモードアンテナ」と「Wi-Fi TXビームフォーミング」を搭載しています。
「高性能ハイモードアンテナ」があることで、W06は電波の受信感度が上がり、以前よりWi-Fiがつながりやすくなりました。
また、「Wi-Fi TXビームフォーミング」が搭載されていることで、通信の安定性が上がり、通信速度は前機種のW05と比べて20%向上しています(中・弱電界下)。
※「Wi-Fi TXビームフォーミング」を有効にするには、ルーター側だけでなく、スマホなどの通信機器側もWi-Fi TXビームフォーミングに対応している必要があります。
- iOS:iPhone SE、iPhone6以降
- Android:比較的新しい機種であれば対応しているものも多い
通信モードを自動で切り替える機能を搭載
上の図のように、ルーター側で「ハイスピードプラスエリアモード(7GB制限あり)」のデータ量を「6.3GB」など7GB未満に設定しておくと、設定したデータ量に到達した時点で「ハイスピードプラスエリアモード(7GB制限あり)」から「ハイスピードモード(標準モード)」に自動で切り替わります。
この通信モード自動切替は、前機種のW05にはなかった新しい機能です。
ハイスピードプラスエリアモードの利用が月に7GBを超えると、月末まで最大128kbpsの速度制限が課されます。この速度制限は非常に厳しいものなので、ハイスピードプラスエリアモードは緊急時以外、使わない人が多い機能でした。
しかし、ルーター側であらかじめ上限を設定しておけば、月単位の速度制限を受けることなくハイスピードプラスエリアモードの利用が可能になります。(※3日で10GBの速度制限はあります。)
充電は通常利用で約9時間、省電力利用で約12時間もつ
Speed Wi-Fi NEXT W06の充電は、通常利用(スマート)で約9時間、省電力利用(バッテリーセーブ)で約11時間40分もちます。
前機種のW05と比べると、充電のもちが向上しました。
▼Speed Wi-Fi NEXT W06の通信時間
ハイスピードモード(WiMAX 2+)
ハイパフォーマンス:約7時間10分
スマート:約9時間
バッテリーセーブ:約11時間40分ハイスピードプラスエリアモード(WiMAX 2+、LTE)
ハイパフォーマンス:約5時間
ノーマル:約6時間40分
バッテリーセーブ:約10時間
▼W05の通信時間
ハイスピードモード(WiMAX 2+)
ハイパフォーマンス:約6時間30分
ノーマル:約9時間
バッテリーサービス:約10時間30分ハイスピードプラスエリアモード(WiMAX 2+、LTE)
ハイパフォーマンス:約4時間20分
ノーマル:約6時間30分
バッテリーセーブ:約9時間10分
専用アプリでルーターを管理できる
「HIAWEI HiLinkアプリ」をスマホにインストールすれば、スマホでルーターを管理できるようになります。
ルーターの設定をスマホで変更することも可能です。
専用クレードルはない
Speed Wi-Fi NEXT W06には専用クレードル(卓上ホルダ)がありません。
ルーター自体の電波受信感度が上がったことや、有線LANケーブル接続の需要が減ったことから、クレードルの廃止に踏み切ったようです。
W06は直接LAN接続をすることはできませんが、USB接続は可能です。
W06と通信機器(パソコンなど)を有線接続をする人は、以下の方法で行ってください。
- USB3.0 type-Cのケーブル(別売り)を使い、ルーターとパソコンを有線接続する
- USB LAN変換アダプタ(付属品)を使い、ルーターとパソコンを有線接続する
SIMフリーだが、WiMAX以外のSIMカードは動作未確認
Speed Wi-Fi NEXT W06はほかのWiMAX対応ルーターと同様、SIMフリーです。
しかし、WiMAX用のSIMカード以外は動作が確認されておらず、保証もありません。
ほかのキャリアや格安SIMで運用する場合は自己責任になります。
【W06】利用出来るSIMは何ですか?
回答
「au Nano IC Card04 LE」または「au Nano IC Card04 LE U」です。
SIMロックはかかっておりませんが、上記SIM以外を挿入して利用される場合の動作内容などは一切保証しておりません。
「au Nano IC Card04 LE」「au Nano IC Card04 LE U」は、WiMAXを契約するときに選ぶSIMカードの「nanoSIM」のことです。
WiMAX用のNanoSIM以外のSIMカードを利用する場合は保証の対象外です。
ACアダプタ、USBケーブルの価格
Speed Wi-Fi NEXT W06にはACアダプタ、USBケーブルは付属しておらず、別売りです。
対応するACアダプタは基本的には「TypeC共通ACアダプタ01U」ですが、MicroB-TypeC変換アダプタを利用すれば「共通ACアダプタ05」を利用することもできます。
【W06】対応するACアダプタは何ですか?
回答
TypeC共通ACアダプタ01Uが利用可能です。
また、本製品はUSB TypeC対応のため、MicroB-TypeC変換アダプタで変換することで共通ACアダプタ05で利用可能です。
共通ACアダプタ03は非対応です。
USBケーブルは「USB3.0ケーブル TYPE-C/USB-A」に対応しています。
- TypeC共通ACアダプタ01U:3,025円
- USB3.0ケーブル TYPE-C/USB-A:1,210円
Speed Wi-Fi NEXT W06の口コミや評判
Speed Wi-Fi NEXT W06の口コミを探すと、主に以下の3つの悪評が見つかりました。
- 「勝手にハイスピードプラスエリアモード(7GB制限あり)へ切り替わる」という口コミ
- 「端末が膨張する」という口コミ
- 「通信速度が遅い」「通信が切れやすい」という口コミ
それぞれ確認していきましょう。
1,「勝手にハイスピードプラスエリアモード(7GB制限あり)へ切り替わる」という口コミ
これは、W06で新たに搭載された「通信モード自動切替」という機能が原因です。
ルーターの設定で以下のように操作すると、勝手に通信モードが切り替わることはなくなります。
- 「WAN設定」→「基本設定」→「ハイスピードプラスエリアモード規制」をオン
- 「通信モード自動切替」をオフ
2,「端末が膨張する」という口コミ
W06に限らず、ルーターの充電池にはリチウムイオン電池が使われています。
このリチウムイオン電池は、寿命に近づくと膨らむ性質があります。
ルーターのパフォーマンス設定で「ハイパフォーマンス」を利用することが多かったたり、高温になる場所で利用していたりすると、リチウムイオン電池の劣化が早まる原因になるため、以下のような対策を行ってみてください。
- ルーターのパフォーマンス設定を「スマート」にする
- 高温になる場所ではあまり利用しない
3,「通信速度が遅い」「通信が切れやすい」という口コミ
UQ WiMAXの公式サイトにも記載されていますが、以下の対応をすると改善することがあります。
- 通信速度が遅い場合は、ルーターのパフォーマンス設定を「スマート」から「ハイパフォーマンス」に切り替える
- 通信が切れやすい場合は、ルーターの設定で「システム設定」→「クイック設定」→「クイックアクセスモード」をオンにする
Speed Wi-Fi NEXT W06は、WiMAXプロバイダのキャンペーンを使えば無料で入手可能
WiMAXプロバイダのキャンペーンを利用すれば、Speed Wi-Fi NEXT W06を無料で入手することも可能です。
通常、WiMAXのルーターは有料です。UQ WiMAXなど多くのWiMAXプロバイダでは、端末代が15,000円程度かかります。
しかし、BroadWiMAXやBIGLOBE WiMAXなど一部のWiMAXプロバイダでは、端末代が無料だったり、格安だったりします。
- BroadWiMAX:端末代0円
- BIGLOBE WiMAX:端末代19,200円(後日15,000円キャッシュバックのため実質4,200円)
Speed Wi-Fi NEXT W06は、中古だと価格は5,000円~12,000円程度が相場(2020年9月現在)
Speed Wi-Fi NEXT W06をはじめ、WiMAX対応ルーターは基本的に端末のみでは販売されていません。
中古ルーターでもいいという人は、ヤフオク!やメルカリ、イオシス、楽天市場、Amazonなどで購入することは可能です。
Speed Wi-Fi NEXT W06の中古ルーター価格は、2020年8月現在で5,000円~12,000円程度です。
持ち運びには向かない場合もあるかもしれません。
まとめ
Speed Wi-Fi NEXT W06は、前機種のW05と比べると以下の点で性能が向上しています。
- 通信速度が上がった
- 電波の受信感度が上がり、Wi-Fiがつながりやすくなった
- 充電のもちがよくなった
ちなみにW06とWX06を比較すると、WX06はW06より通信速度は劣るものの、充電のもちはWX06の方が優れています。
W06、W05、WX06のなかで、万人にオススメなのはW06ですが、充電のもちを重視する人はWX06を選んでみてもいいでしょう。