3機種の箱

どうもトヨです。

先日ありがたいことにTP-Link様の方からWi-Fi中継機を提供していただきました。

RE705Xという10,000円を超える高性能な中継機です。

こんないいものを提供していただいて大変恐縮なのですが、この中継機を見てふと思ったことがありました。

「Wi-Fi中継機にこんなに高価なものって必要?」

ということです。

ということで今回は提供していただいた中継機とは別に3,000円・5,000円くらいの中継機を購入して、実際に使うにはいくらぐらいの中継機があればいいのかを検証してみました。

ちょっと意外な結果になったので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いている人

トヨ( 堀行 秀吉 ) 執筆・監修者

トヨ本人がパソコンやスマホ、光回線、ホームルーター、ポケット型Wi-Fiを利用したうえでの結論をまとめてみました。

家電量販歴18年以上、学生から高齢者まで8万人を超える方々とお話をしてきた経験をもとに発信しています。Wi-FiランドYouTube(トヨサポ)を運営中。

専門分野はパソコン選び、周辺機器(WiFiルーター、他)、ネット回線(光回線・ホームルーター・ポケット型Wi-Fi)全般、スマホや格安SIMなど。

パンフレットに書かれている情報ではなく、実際に多くのパソコンやネット回線を利用し事実に基づく発信を心がけております。

大手公式サイトの監修なども行っております。詳しくは運営者情報より

外観を見ていこう!

RE705X

2本の立派なアンテナがちょっとガンダムみたい

せっかく提供いただいたので、まずはRE705Xについて軽く紹介していきたいと思います。

まずは外観から。

RE705Xには2本の外部アンテナがついています。

下位モデルに比べると結構大きめで立派なアンテナです。

とよ
強い電波を飛ばしてくれるんじゃないかと期待が持てるね
RE705X

4つのLEDランプ

正面には4つのLEDランプ。

シンプルながら電源と電波の状況がわかるようになっています。

LANポート

LANポートも搭載

1つだけですがLANポートも搭載しているのでブリッジモードに切り替えての有線接続も可能です。

LANポートと逆サイドの側面にはWPSボタンとリセットボタンがついています。

基本性能

RE705X
製品名RE705X
サイズ74.0×46×124.8mm
重量記載なし
Wi-Fi規格Wi-Fi6
ストリーム数

外部アンテナ2本

Wi-Fi最大通信速度

5Ghz:2402Mbps

2.4Ghz:574Mbps

接続台数記載なし
有線ポート

LANポート:最大1Gbps×1

セキュリティWPA3対応
その他OneMesh対応

Wi-Fi6対応

中継機と言うと性能が低いものが多いイメージがありますが、このRE705Xは最新のWi-Fi規格である「Wi-Fi6」に対応しており高速通信が可能です。

Wi-Fi6は2019年ごろから普及しはじめた最新のWi-Fi規格です。

Wi-Fi規格の違い

Wi-Fi6は飛び抜けて通信速度が速い

まず、Wi-Fi6は以前のWi-Fi5に比べて1.4倍も最大通信速度が速くなっています。

他にもMU-MIMOがアップリンクに対応したり、OFDMAという技術が取り入れられたことにより、複数台で接続しても通信が安定して遅延や速度低下が起きにくくなりました

そういった最新の規格がこのRE705Xでは採用されています。

OneMesh対応

AX72箱

OneMeshにも対応

RE705XははOneMeshというTP-Link独自のメッシュWi-Fi機能にも対応しています。

メッシュWi-Fiとはメインルーターの他にメッシュ中継機を利用して電波の範囲を拡大する仕組みのことです。

従来の中継機

従来の中継機(参考:TP-Link)

メッシュWi-Fi

メッシュWi-Fi(参考:TP-Link)

従来の中継機に比べてのメリットは下記のとおり。

  1. ルーターと中継機の切り替えを自動でやってくれるためシームレスに利用ができる
  2. メインルーターへの負荷が中継機と分散されるため、複数台でつないでも速度が落ちにくい
とよ
基本的には従来の中継機の上位互換と考えてOK
AX72とRE705X

OneMesh対応のArcher AX72とRE705X

メインで使っているルーターがOneMeshに対応していれば、このRE705Xと接続することでメッシュ機能を利用することが可能になります。

とよ
メッシュ機能を利用しないなら、メーカーを問わずどのWi-Fiルーターにも中継機として使うことできるよ

通信速度を調査しました

3つの中継機

3000円,5000円,10000円の中継機で比較検証

ということでいよいよ速度計測をしていきたいと思います。

今回用意した中継機は3つ。

  • Wi-Fi6対応、最高速度2402MbpsのRE705X
  • Wi-Fi5、最高速度1300MbpsのRE450
  • Wi-Fi5、最高速度867MbpsのRE305

価格はそれぞれ

RE705Xが10,000円ぐらい

RE450が5,000円ぐらい

RE305が3,000円ぐらい

となっています。

※価格は場所や時期によって変動するのでだいたいこのぐらいと思ってもらえると助かります。

この3つの中継機の速度を比較すれば、Wi-Fi中継機を買うときはいくらぐらいのものを買えばいいのかが見えてくるんじゃないでしょうか?

それでは早速見ていきましょう。

まずはWX3600HPで計測

WX3600HP

NECのWX3600HP

まずはメインルーターで基準となる速度を計測します。

使用ルーターはNECのWX3600HPです。

とよ
今回はメッシュ機能は利用しないので、他メーカーのルーターを選んでみたよ。

OneMeshについてはまた別で検証する予定。

こちらもWi-Fi6対応、最大速度2402Mbpsの高性能ルーターです。

まずは回線の引き込み元である2階で速度計測をしたあとに、中継機も利用しながら1階で計測してきます。

WX3600HP速度計測

計測端末はGooglePixcel6、計測サイトはFast.comを利用

 1回目2回目3回目平均
2.4GHz72Mbps73Mbps 78Mbps 74.3Mbps
5GHz400Mbps 410Mbps 390Mbps 400Mbps

WX3600HPを使って2階で計測した結果は上の通り。

5Ghz帯での平均速度は400Mbps、2.4GHz帯での平均速度は74.3Mbpsでした。

この速度を基準として1階に移動して速度計測をしていきたいと思います。

1階(玄関)で計測

速度計測玄関

場所を移して、1階の玄関で通信速度を計測してみました。

WX3600HP

WX3600HP速度計測

多少落ちたがそこまでは変わらず

 1回目2回目3回目平均
2.4GHz78Mbps78Mbps85Mbps 80.3Mbps
5GHz380Mbps360Mbps350Mbps 363Mbps

まずはメインルーターのWX3600HPから。

5GHz帯に関しては若干通信速度が落ちたものの、平均速度は363Mbps。

この場所だと全然中継機とかはいらなそうですね笑

2.4GHz帯に至っては平均80.3Mbpsとルーターの近くで測ったときよりも速度が上がりました。

とよ
2.4GHz帯は障害物に強く遠くに飛びやすいから、電波強度自体は2階で測ったときとかわらなかったのかもね。

RE305

RE305速度計測
 1回目2回目3回目平均
2.4GHz52Mbps65Mbps65Mbps 60.6Mbps
5GHz210Mbps210Mbps220Mbps 213.3Mbps

いよいよ中継機での計測です。

まずは3,000円のRE305で計測しましたが、5GHzの平均速度は213.3Mbps。

なんと中継機を使うことで速度が落ちるという結果になってしまいました。

とよ
なまじメインルーターの性能がいいせいで、中継機がマイナスに働いてしまったね
RE305

RE305は比較的コンパクト

RE450

RE450速度計測

3,000円の中継機よりも遅いという結果に

 1回目2回目3回目平均
2.4GHz69Mbps69Mbps70Mbps 69.3Mbps
5GHz230Mbps180Mbps220Mbps 210Mbps

続いて5,000円のRE450で計測してみましょう。

5Ghz帯の平均速度が210Mbps…

なんとメインルーターのWX3600HPどころか3,000円のRE305よりも遅いという結果に。

RE450

コンセントを占有してしまうかも

RE705X

RE705X速度計測

5GHzに関しては他2機種とそこまで変わらず

 1回目2回目3回目平均
2.4GHz100Mbps110Mbps110Mbps 106.6Mbps
5GHz210Mbps230Mbps250Mbps 230Mbps

そしていよいよ10,000円超えの中継機RE705Xでの計測。

結果は5GHz帯の平均速度が230Mbpsと、他2機種と比べると速いものの2倍、3倍といった金額を出す価値があるかというと微妙な結果に。

ただ、2.4GHz帯に関しては平均106.6Mbpsとメインルーターよりも速い結果が出ました。

なんとか面目躍如といったところですが、メインで使いたいのは5GHzなのでそちらで結果を出してほしかったところです。

RE705X

RE705Xはコンセントプラグが下側についているので、上のコンセントに挿せば下側は利用できるかも

外で計測

トヨ宅は1階は玄関しかないメゾネット?タイプ

先程も話したとおり、なまじ性能のいいWi-Fiルーターを使ったせいで1階の玄関までしっかり電波が届いてしまい

「どの中継機がいいのか?」どころか「中継機はいらない」という結果になってしまいました。

これだと検証にならないので、メインルーターともう少し距離の離れた場所で再計測を試みることに。

とはいえ、自分が住んでいる場所が1階は玄関しかないタイプの住居なのでこれ以上場所を離すことができません。

距離をとるために外で計測

ということでちょっと力技ですが、玄関を開けて数メートルのところで計測することにしました。

室内ではなく屋外になってしまうので、ちょっと環境が変わってしまいますがこれが今できる最善なのでお許しください。

とよ
外にスマホを置いて速度を計測しているおじさん…

こんな姿を誰にも見られなくてよかったよ笑

WX3600HP

wX3600HP外計測

メインルーターではつながらず

 1回目2回目3回目平均
2.4GHz-Mbps -Mbps-Mbps-Mbps
5GHz-Mbps -Mbps-Mbps-Mbps

メインルーターを使って計測しようとしたところ、5GHz帯、2.4Ghz帯ともに電波が届かず接続できないという自体に。

電波がつながらなくて喜ぶのもおかしな話ですが今回は特別。

ようやく中継機活躍の場ができそうです。

RE305

RE305速度計測

ずっと計測してたら暗くなってしまいました笑

 1回目2回目3回目平均
2.4GHz23Mbps22Mbps20Mbps 21.6Mbps
5GHz37Mbps50Mbps52Mbps 46.3Mbps

RE305で計測したところ、メインルーターではつながらなかった屋外でも接続することができました。

5Ghz帯の平均が46.3Mbps、2.4GHz帯の平均速度が21.6とそこまで速いというわけではありませんがWebサイトや動画を見る分には充分な速度が出ています。

RE450

RE450速度計測

ずっと計測してたら暗くなる

 1回目2回目3回目平均
2.4GHz17Mbps17Mbps15Mbps 16.3Mbps
5GHz41Mbps 39Mbps33Mbps 37.6Mbps

続いてはRE450での計測です。

これも接続することはできたのですが、5GHz帯の平均速度が37.6Mbps、2.4GHz帯の平均速度が16.3Mbps。

どちらもRE305よりも遅いという結果になってしまいました。

とよ
精密に計測をしているというわけではないけど、さっきに続けて3,000円の中継機よりも速度が遅いとなるとちょっと気になるね

RE705X

RE705X速度計測
 1回目2回目3回目平均
2.4GHz24Mbps24Mbps24Mbps 24Mbps
5GHz95Mbps94Mbps110Mbps 99.6Mbps

そして最後はRE705Xです。

5GHz帯の平均は99.6Mbpsと他2機種に比べて圧倒的に速い結果が出ました。

一方、2.4GHz帯に関しては他よりも速いは速いものの玄関で測ったときほどの速度差は出ませんでした。

とよ
5GHz帯がこれだけ速いのは嬉しいね

速度比較まとめ

4機種

最後に簡単に今までの速度計測の結果をまとめてみましょう。

それぞれの平均値をまとめてあります。

1階計測まとめ

WX3600HP速度計測
 WX3600HPRE705XRE450RE305
2.4GHz80.3Mbps106.6Mbps69.3Mbps 60.6Mbps
5GHz363Mbps230Mbps210Mbps 213.3Mbps

1階で計測したときの結果は上のとおり。

2.4GHz帯こそ、10,000円の中継機、RE705Xを使うことで速くなったものの5GHz帯についてはダントツでWX3600HPが速いです。

2.4GHz帯を優先して使いたいということはそんなにないので、ここで使う場合は中継機は不要ですね笑

とよ
速度がちょっと遅くなる程度の人であれば無理して中継機を買う必要性はなさそうだね

外計測まとめ

RE705X速度計測
 WX3600HPRE705XRE450RE305
2.4GHz-Mbps24Mbps16.3Mbps 21.6Mbps
5GHz-Mbps99.6Mbps37.6Mbps 46.3Mbps

外での計測に関しては2.4GHz帯、5GHz帯共にRE705Xが最速という結果になりました。

特に5GHz帯については他2機種よりも2倍以上速くダントツですね。

ここまでの差があるのであれば、10,000円を出す価値もありそうです。

まとめ

3機種

ということで3,000円の中継機、5,000円の中継機、10,000円の中継機で速度比較をしてみました。

今回の結果を見てみると

アパートやマンションなど、そこまで広くない場所に住んでいる人は中継機を買うというよりはメインルーター自体の性能を上げたほうが速度改善には繋がりそうです。

一軒家にお住まいの方については、最低限使えればということであれば3,000円の中継機でも充分そうですが、確実性をとるなら10,000円の中継機もありですね。

今回の計測場所ではRE305の速度が40Mbps前後だったので、速度の下振れを考えるとRE705Xは全然選択肢に入ってきます。

とよ
まぁ、今回はイレギュラーな計測場所なのでそこで使うことはないんだけどね笑

一番意外だったのは3,000円の中継機が5,000円の中継機よりも良い結果がでたということですね。

大元の回線やメインルーターの性能、住居の環境などによっても結果は変わってくるので、一概には言えませんが5,000円の中継機を買うなら3,000円の中継機でも十分なのかもしれません。

今回の結果を参考に自分の予算や目的にあった中継機を探してみてください。

 

WiFiランド編集部
カフェ

WiFiランドは家電量販店歴18年(パソコン・インターネット回線・スマホ)のトヨが初心者から上級者、学生から高齢者まで8万件を超える接客をしてきた経験をもとに発信をしているサイトです。

監修のお仕事など、ほかにもさまざま。
≫≫運営者情報はこちら。ご依頼などお待ちしております。

ABOUTこの記事をかいた人

見てくれてありがとう! この記事は僕(とよ)が書いているよ。
Twitter、インスタのフォローしてね。
要望や問い合わせなどもTwitter、インスタ経由でもOK♪
それと、YouTubeも不慣れながら始めることにしたよ! 気になるコンテンツとかがあったら登録してね♪